『モリーズ・ゲーム』"Molly’s Game" 闇ポーカーゲームを主催する元モーグル選手の数奇な運命



   シンガポール出張のキャセイ機内で観たのが『モリーズ・ゲーム』”Molly’s Game”
『ソーシャル・ネットワーク』の脚本で名を上げたアーロン・ソーキンの初監督作だったので興味を持って観た。

スキーのモーグル選手として、幼い頃から厳しいトレーニングを受けていたモリー・ブルーム(ジェシカ・チャステイン)は、ソルトレイク五輪の予選で転倒し重傷を負ったため、スキーを諦めざるを得なかった。
その後モリーはロスアンゼルスに移住し、クラブで働き始めるが、そこで知り合った不動産屋ディーン(ジェレミー・ストロング)の秘書として働くことになる。彼の仕事を手伝ううちに、非合法のポーカーゲームの運営に参加したところ、そこではあらゆる業種のセレブたちが集まり、途方もない金額のゲームが開催されていた。
彼女はあっと言う間に、集まったセレブたちに気に入られ、多額のチップをもらうようになるが、その事を快く思わないディーンに首にされてしまう。モリーは、それから自分でフォーシーズンズ・ホテルのスィートルームを舞台に、自分自身で新たなポーカーゲームの賭場を開くのだった。
だが、上客のプレイヤーX(マイケル・セラ)との確執から、賭場をニューヨークに移すが、やがてFBIから目を付けられてしまう。

映画は、モリーが頼る黒人の優秀な弁護士(イドリス・エルバ)とFBIとの裁判を軸に、ポーカーゲームの賭場で繰り広げられた様々なドラマを再現していく(←実話なので)。色んなエピソード、リッチな生活や、危ない目にもあい、若くしてスゴい経験をしたもんだなと思う。

だが、映画としてはちょっと長すぎるかな。2時間20分の尺の中に詰め込みすぎな感じ。特に弁護士との会話なんか、スピードが早い早い。そうしないと3時間超えの映画になっちまったかもね(笑)
裁判、ロスの賭場からNYの賭場へ、父親(ケヴィン・コスナー)との確執もあり、ボリュームが多すぎてお腹いっぱいになる分量だった。

モリー・ブルームの原作が”Molly’s Game: From Hollywood’s Elite to Wall Street’s Billionaire Boys Club, My High-Stakes Adventure in the World of Underground Porker” って、題名だけでネタバレじゃん、って感じ(笑)

モリーは、子供の頃、スキーの練習中、父親に「疲れた」と言うと、「疲れた=弱い人間」と教えこまれ、また練習に戻るという日々を送っていた。背骨を折ってもスキーをやめさせてもらえなかった。
だから芯の強い女性になって、こんな闇の世界でも成り上がっていけたんだろう。これは頭を使った女性の(ある意味)サクセスストーリー。オンナを武器にしないのが良い(←映画の中ではだが・笑)。浮世離れした話として楽しめると思う。

Molly’s Game (2017)
Directed by Aaron Sorkin

03-May-18 by nobuyasu



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