『空手道』”The Empty Hands” 倉田保昭出演の新作香港映画!


東京からの復路、キャセイ機内で、香港映画『空手道』”The Empty Hands” (2017) があったので嬉しくなって観た。理由は、あの倉田保昭が出てるからである。

倉田保昭は、我々ブルース・リー世代のおっさん達には、ある意味千葉真一よりもスゴい空手スターという認識がある。70年代から香港クンフー映画で活躍していた彼は、ブルース・リーとも面識があったからだ。

倉田保昭は今でも香港では有名で、この映画でも今年2018年の香港電影金像奨(香港映画大賞)で、助演男優賞にノミネートされていた。


倉田保昭が演じるのは、日本人の平川彰という人物。70年代に日本の会社から現地駐在で香港に来て、香港人の女性と結婚。空手ができたものだから、その後ワンチャイに道場を開いたという役である。妻とは離婚し、今は娘と二人で道場で暮らしている。

映画は、その平川彰(倉田保昭)が道場で倒れ、亡くなっているところから始まる。
一人娘の真理(ステフィー・タン)は、道場の相続の際、権利の半分は、道場の元弟子でヤクザになったチャン(チャップマン・トウ)にあることがわかる。真理は、子供の頃、期待されていたにも関わらず、演武の失敗から、空手から遠ざかり、父娘の関係も決して良いとはいえないものになっていた。特に自分が、ラジオDJと不倫をしていることは父と距離をおく大きな原因になっていた。
映画は、その後、ヤクザが足を洗い、道場をなんとかしようとするが上手くいかない。そして、真理が徐々にトラウマを克服し、父の思いに心を寄せて空手道場をやっていこうと思うようになる、というもの。

観る前は、もっと感動する映画かと思ったが、ちっともそんなことはなかった。97分と短い映画ながら、主人公の真理が不倫をやめて人生やり直すまでに1時間くらいかかるもんだから、『ロッキー』のような展開にもならず、盛り上がることもなく映画は終わった。
主演も兼ねてる監督のチャップマン・トウは、日本では『インファナル・アフェア』の間抜けなヤクザ役で知られてるが、香港では人気もあり、こうやって監督・主演の映画も撮っている。だが、この映画は面白くなかった。正直言って時間の無駄だった。

出演者たちは、何かあるとやたらと「一蘭」へ行ってラーメンを食べたり、日本の居酒屋風の店でも会食をする。倉田保昭の回想シーンも『姿三四郎』を真似たりして、日本らしさを出そうとしているのだが、空手のシーンも含め、日本人から見ると中途半端な感じで、面白さを感じなかった。倉田保昭が元気なことがわかっただけで、「押忍、ありがとうございました!」という映画でした。

空手道  The Empty Hands (2017)
Directed by Chapman Toe

01-May-18 by nobuyasu


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